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【電着塗装のいろは②】原理について

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ここでは「電着塗装って何だろう?」その疑問にお答えします。

今回は基本となる、電着塗装の原理についてです。

■ 電着塗装とは?


塗料液中に被塗物(ワーク)を浸漬させ、被塗物(ワーク)と電極との間に
直流電流を流し、電気泳動を利用して被塗物に塗料粒子を析出(※1)させる塗装方法です。
塗料粒子の電荷が+のものをカチオン電着-のものをアニオン電着と呼びます。

弊社では【カチオン電着(大物・小物・小型精密部品)】および【絶縁電着塗装】を行っております。
※1 析出=液状の物質から結晶または固体状成分が分離して出てくること。

■ カチオン電着塗装の原理


電着塗料は、塗料の粒子が+の電荷を持つように作られています。+の電荷を持った塗料粒子が水の中に散らばっており、また同じ数だけ-電荷が同時に存在しています。-電荷は塗料粒子とともに含まれているイオン(酢酸イオン等)であり塗料粒子ではありません。
塗料に浸漬した被塗物(ワーク)に-極、塗料中の電極に+極を入れ、直流の電圧を与えると、塗料液中に電流が流れます。電流とは電子の流れであり、液中で実質的に電気を流す物質は塗料粒子(+)とイオン(-)です。

カチオン電着塗装の原理 イラスト

すなわち、+電荷を持った塗料粒子が-極の被塗物(ワーク)に向かい同時に-電荷のイオンは+極の電極へ向かいます。これにより液中にて「電気が運ばれる」こととなり、電流の流れが形成されます。

この原理により電流が流れると水の電気分解反応が起き、-極の被塗物(ワーク)の周りはアルカリ性に、+極の電極は酸性になります。-極に引かれた塗料粒子はアルカリ性の働きにより+電荷を失います。塗料粒子は電荷を失うと水に溶けていられなくなり、個体の塗膜となって-極の被塗物に付着します。

塗料槽から出てきた塗装物をシャワーなどによる水洗を行い、できた塗膜に百数十℃の温度を与えること(焼付)で膜が軟化・融着するとともに、化学反応が起き塗膜が柔らかいスポンジ状から、硬い頑丈な膜に変わります。

このようにして電着塗装は行われています。


「TP素地」と「TP化成処理後」の比較
電着塗装後のカチオンと絶縁の画像

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二葉特殊電着株式会社

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